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2024.07.01

久留女木の棚田で田植え体験会

 6月15日、久留女木の棚田で田植え体験会が行われ、約40人が作業に汗を流しました。
 久留女木の棚田は浜松市浜名区引佐町の山間部にあり、総面積は約7.7?、標高250m付近に800枚ほどの田んぼが展開しています。農林水産省が認定する「つなぐ棚田遺産」や、静岡県の「景観賞」にも選ばれ、2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」のロケ地になったことで広く知られるようになりました。
 現在は、過疎化や高齢化により、半分以上が耕作放棄地になっていますが、地元農家と外部耕作者からなる「久留女木 竜宮小僧の会」が2016年に発足し、保全活動を進めてきました。今回の田植え体験会も同会の主催で開催されました。
 同会では、年会費5,000円で棚田保全活動に協力できる「サポーター制度」、田植えや稲刈りなどをやってみたい人向けの「稲作体験会」、さらに、1年を通した稲作を勉強したい人向けの「棚田塾」、そして、棚田塾を経て、自ら田んぼを借りて耕作する「外部耕作者」の4段階で保全活動を進めています。
 田植え体験会は、サポーターを中心に参加者を募集し、サポーターの家族や友人、知人などが参加。同会のスタッフの指導を受けながら、丁寧に作業を行いました。
 参加者の一人は「今日、植えた苗が、お米になった暁には、サポーターの返礼品になると聞いて、一株一株丁寧に植えた」と笑顔で汗をぬぐいました。
 同会の西本有一会長は「久留女木の棚田では〝自分の食べる物だから自分で作る〟をスローガンに、外部の方にもお米づくりを教える取り組みを7年前から行っている。昨今はお米の価格も上がり、世界的な食糧危機が肌で感じられるようになってきた。これを機会に、食や農について関心を持ってくれる人が増えると嬉しい」と話しました。
 この日、植えた苗は晩生品種の「にこまる」。順調に生育すれば、10月中下旬に収穫し、脱穀、籾摺り(もみすり)、精米を経て、12月の収穫祭にサポーターへの返礼品として授与される予定です。