2025.02.03
こでまり目ぞろい会
春の兆しを感じられ、可憐で純白の小さな花が手まりのような形を作ることで人気の花材「こでまり」の出荷が始まりました。静岡県湖西市はコデマリの全国シェア80%を占める産地で1月から4月上旬まで約3か月出荷が続きます。
最盛期を前に、1月15日、JAとぴあ浜松こでまり協議会と同JA花き営農センターがJA湖西営農センター(湖西市)で目ぞろい会を開き、生産者、全国の花き市場7社、JA静岡経済連、JA職員ら45人が参加しました。
コデマリの出荷は、促成栽培したハウス物から始まり、春に向かうにつれ路地物へとシフトします。中国の春節向け輸出用や慶弔用の添え花やメイン花材として人気があり、高値で取引されています。また、インバウンド向けにホテルや旅館などの宿泊施設から、客室やロビーなどの装飾用花材としての需要が高くなっています。
しかし、折からの燃油や肥料、資材、輸送費の高騰で費用が上昇し農家経営を圧迫します。また、今シーズンは、夏の猛暑や秋の曇天など不安定な気象で生育は例年に比べて早出し出荷分が遅れています。
目ぞろい会では、JAや市場関係者が農家の手取り収入を増やし安定化させるため、高値取引に必要な点を、現場目線で生産者に伝え要望しました。具体的には精度の高い出荷情報の徹底やサンプルを用いて咲き前の切り時の見極め、選花の厳格化、購買意欲を喚起させる荷姿など、細かい部分に至るまで、3者間で情報を共有しました。
当JAこでまり協議会の杉浦健一会長は「コデマリは狭い畑でも収益を上げることができる魅力的な花木。様変わりする気象状況に合わせて温度管理を徹底してほしい。質の高い出荷を維持することが、市場から頼られる産地の証。緑と白のコントラストがすばらしいコデマリを楽しんでほしい」と話しました。
当JAの販売担当者は「天候等で栽培環境が目まぐるしく変化する中で、喜んでもらえるように、品質にこだわり、良いものを供給し続けていくことで産地を維持していく。コデマリは、あらゆる場面で空間を彩ってくれるユーティリティな花材なので、どんどん活用してほしい」と力を込めました。
当JAのコデマリは49人の生産者が約10haで栽培し、関東、関西の市場を中心に約15,500ケース(1ケースL100本)の出荷を見込んでいます。